コインチェックの現状とMtGOXの亡霊
コインチェックのネム流出事件の補償時期が発表
1月26日に発生した、コインチェックからのネム流出事件ですが、来週を目途に、ネムの補償と、アルトコインの取引停止を順次解除していくと昨日の会見で発表がありました。
仮想通貨NEMの不正送金に関するご報告と対応についてhttps://t.co/jQIYZhxaZl
— Coincheck(コインチェック) (@coincheckjp) 2018年3月8日
1ヶ月以上も資金を拘束された状態で、ネガティブニュースが連発し、仮想通貨全体の下落も顕著な中、ほっと胸を撫でおろした方も多いのではないでしょうか?
補償の原資はどこから?
金融庁も監視している中での発表ですから、まず嘘はないと思います。ネムに関しては流出当時の金額である¥88円での補償が約束されました。総額で460億円にもなります。依然返済原資についてはあきらかにされていませんが、取扱高の発表がありましたので、ここから推測をしてみます。
CCの取扱高にスプレッドかけて利益に換算したがる人多いけど売上高でしょ。利益は諸経費引くとよくてその50%くらいでは。>月に3兆8千億円!コインチェックの驚くべき取扱高・利益は月間で200億円超?(三上洋) - Y!ニュース https://t.co/mUPRJnyA1c
— 霧谷 (@inter_steller) 2018年3月8日
◆コインチェック取扱高◆
2017年10月:1兆282億円
2017年11月:2兆5,268億円
2017年12月:3兆8,537億円
取扱高の中身は、ユーザー同士が売買する【取引所形式】が80%。ユーザーに仮想通貨を販売する【販売所形式】が20%となります。その中で多くの利益を生み出していたのが、販売所。コインチェックの利ざやは以前より高いと言われており、往復で売買をおこなうと、最大10%程度と言われていました。
利ざや5%で、12月で粗利を計算してみると以下のようになります。
3兆8537億円 x 20% = 7707億円
7707億円 x 5% = 385億円
あくまでも推測ですが、12月だけで385億円の利益!
ネムの賠償額が460億円。返済が現実的であり、いかにコインチェックが儲かっていたかが分かります。
コインチェック補償後の仮想通貨市場は?
さて、来週補償が始まったとして、その後はどうなるのでしょうか?
コインチェックユーザーに対し、妄想175さんがTwitterでアンケートを取っていますのでそれを見ると、引退する人は少なく仮想通貨取引を続ける人が多いです。
Coincheckの入出金が再開されたら
— 妄想175@Blockchainは自己責任 (@bitmania999) 2018年2月5日
ネムの補償対象者は26万人。コインチェックの口座数は170万人います。3/15日までは確定申告があるので、税金支払いのために多くの売りが入りそうです。
また、流出したネムも換金されているようで、ネムに関しては当分厳しいと言わざるを得ません。
MtGOXの保有ビットコイン、ビットコインキャッシュ430億円相当を販売
そして、MtGOXの件も忘れてはいけません。管財人が保有したビットコインを『9月下旬より市場で販売していた』事が発表されました。平均売却額は107万円で約430億円相当をすでに市場で販売済み。更に2000億円相当を保有しています。
[Bloomberg]
— bitpress(ビットプレス) (@bitpress) 2018年3月8日
東京の「鯨」、ビットコイン430億円売却-残る2000億円相当も放出へhttps://t.co/JCmSYQN3ET
破産した仮想通貨交換業者、マウントゴックスの管財人を務める小林信明弁護士は7日、破産財団に属するBTCとBCH 約430億円相当を昨年9月下旬以降に売却したことを明らかに
売買の時期
Mt.GOXが過去6ヶ月BTCを売却した件
— さりー@仮想通貨☺️ (@sarrybtc) 2018年3月8日
売りタイミングが最高にクズ👀 pic.twitter.com/9vmfSp17rP
ということで、2014年に破綻したMtGOXの負の遺産がいまだに市場を包んでいます。
以上の売り圧が市場を襲うので、年末まで市場は回復しないのではと個人的に思っています。皆さんも慎重に立ち回りましょう。
ただ、明るいニュースも多くあります。ブロックチェーンの技術は様々なところで使用され始め、仮想通貨決済も徐々に取り入れられてきました。世界的に仮想通貨は実用化にむけて進んでいます。
2020年に我らが日本で行われる東京オリンピックの頃には、今の仮想通貨ホルダー達が笑っていられる未来が来るのは間違いないと思っています。